5月 は「過去の遺産と印刷技術」

bunsei184gazo.jpg 平成が終わり、令和を迎えるこの5月、なぜか今年は二度目のお正月を迎えたような感覚に陥ります。改元よりも「10連休」の重みを感じる状態で、まだまだ令和になじめそうもありません。

 平成最後の4月にはブラックホール撮影成功という未来を感じさせるニュースとともに、世界遺産のパリ・ノートルダム大聖堂が焼失し、世界に衝撃を与えました。各紙トップ扱いの様子をみて、世界遺産のなかでもシンボル的な存在だったのではないかと思えます。印刷とは何かを考えるこのコラムと大聖堂焼失、つながりはないかもしれません。が、今回の焼失によって失われたものと、印刷技術は、ともに中世の革新的な技術でありました。

 とくに、パリ・ノートルダム大聖堂は中世ヨーロッパに窓と光をもたらしたといわれるゴシック様式の代表格でした。当時の最先端であるイスラム工法を取り入れたことにより、変革がもたらされた証しでもあります。印刷も人類の歴史にとって革新的な技術です。大聖堂を再建することは可能ですが、当時の工法での再建は不可能でしょう。印刷技術によって、かつての大聖堂は記憶とデータの中に鮮明に生きつづけます。過去の遺産を新しい時代に受け継いでいくべきだと思わされた平成最後の4月でした。

 令和の時代も、どうぞよろしくお願いいたします。

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