2月 「印刷のはじまりと現存最古の印刷物」

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2019年も2月に突入、年明けからひと息つけぬまま、暦のうえでは春を迎えてしまう感覚です。

 「印刷とは何だろう」2回目は、印刷のはじまりを再確認します。印刷の起源というと、「中国が起源」と「グーテンベルグの活版」が漠然と思い浮かぶ筆者ですが、改めて調べてみますと諸説あるようです。

 まずは、紀元前4000年のバビロニアで押圧印刷といわれる方法による印刷が確認され、紀元前2世紀頃に中国で紙が発明、7世紀頃には木版印刷が行なわれていました。11世紀には陶器や木による活字を使った印刷も確認されています。金属活字による印刷は13-14世紀の朝鮮で既に始められていたので、15世紀のグーテンベルグより先駆けている印象です。日本はどうでしょうか。中国や朝鮮を経て辿り着いた印刷ですが、製作年代が判明している世界最古の印刷物は日本にあります。奈良時代770年に作られた木版刷りの「百万塔陀羅尼経」です。これは女帝、称徳天皇が内乱を平定した際の死者への供養と平和祈願のために作られたもので、三重の小さな塔のなかに、木版刷りされた災厄を払う陀羅尼経が納められています。印刷の起源とされる中国に現存する最古の印刷物は敦煌出土、868年に印刷された仏教経典の「金剛般若波羅密経」といわれています。人類にとって内乱や争いと同じく、供養・祈願といった宗教的な行為は変わらずに続いており、印刷が関わっていることにも気づかされます。そしてアジアの活版が意外にも早くスタートしており、グーテンベルグの活版と何がちがうのか。その違いも気になるので次回確認したいと思います。

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